横浜市戸塚区の大人のピアノ教室、講師のしばやまです。
先日、教室にやってきた新しい電子ピアノについて「【初心者向け予算5万円】Alesisの電子ピアノレビュー」という記事を書きましたが、同時にその下位モデルが発売されています。
\こちらが下位モデルのAlesis Recital Grand/
私、別の記事で、「電子ピアノを購入するには最低6万円は出してください。それよりも安いものは鍵盤がキーボードのようにへこへこだったりしたりします」と書きました。
その気持ちは今でも変わりはなく、私は6万円以下の電子ピアノは積極的には勧めない主義です。
ただ、先日紹介したAlesis Prestige Artistが54,000円ですから、普段だと紹介しない価格帯ですが、実際に触って6万円相当と同等だと感じて紹介しました。
ですのでその下位モデルは特に気にしていなかったのですが(失礼)、「鍵盤部分は上位モデルと同じ」と聞き、拝見する機会を作ってみました。
その結果いろいろ分かりましたので、ここでレビューいたします。
目次
Alesisって?
Alesisとは、米国のinMusicという企業の、Alesis(アレシス)という鍵盤楽器のブランドです。
Alesisというブランドは、なじみがない方がいらっしゃるかもしれませんが、DTM(デスクトップミュージック)用のMIDIキーボードや、ショルダーキーボードなどではすでに有名で、コンピュータミュージックやバンド関係の人々の中では有名なブランドです。
(DTMやバンドをたしなむワタクシもすでに承知しておりました)
King Gnuの井口さんも使っています^^
Youtube(再生するとすぐに楽器が出ます)
Alesis Recital Grandの鍵盤は上位モデル Alesis Prestige Artistと同じ!
なんと、上位モデルと全く同じ「グレーデッドハンマーアクション鍵盤」です。
ですので、弾き心地は上位モデルと同じなのです。
ちょっとビックリしました・・・。
通常、価格が高いほど本物のピアノに近い感触、安いほどいかにも・・・な鍵盤の事が多いですが、鍵盤部分は上位モデルAlesis Prestige Artistと全く同じ。
それ以外の部分の機能を削って価格を下げています。
公式ホームページには、「グレーデッドハンマーアクション鍵盤」という鍵盤であることと、「アコースティックピアノのようなタッチと自然なレスポンスで演奏を楽しむことができる」ということが書かれています。
私が試してみた鍵盤の感想は上位機種のレビューもご覧いただきたいのですが、自分の指の状態や習熟度がそのまま出る正直な鍵盤です。
このピアノで曲をきちんと仕上げたら、ピアノ教室の本物のピアノでもある程度は再現できるはずです。
上記機種と違うのは何?
"ピアノ"として使うための重要部分が上記機種と同じで、他の部分の機能を削っているため、その分お安くなっています。
使い方によっては、削られた機能が必要な場合・なくても大丈夫な場合がありますので、上位機種との主な相違点を書いておきます。
\今回レポートしている下位モデルのAlesis Recital Grand/
\比較している上位モデル/
音の種類が少ない
上位モデルが音数30種類のところ、16種類に削減されています。
ただ楽器別で確認すると、
ピアノ音色 :5→4種類
エレクトリックピアノ:5→4種類
オルガン :5→4種類
の差で、それ以外のストリングス(弦楽器)やシンセサイザー、ベースなどの音が多めに削減されています。
つまり、ピアノソロ曲を弾く場合は、それほど影響がありません。
鍵盤を左右にスプリットして(鍵盤の左右で違う音にして)演奏したり、アンサンブルやバンドなどでいろいろな音を出す可能性がある場合は注意が必要です。
(ストリングス1種類、シンセサイザ1種類、ベース2種類入っていますので、必要最小限の使い方はできます)
同時発音数が少ない
同時発音数とは、何音まで同じタイミング鳴らすことができる数のことです。
上位モデルが256のところ、半分の128に削減されています。
音数に比べて、これがどういう意味があるのか分かりづらいですので説明しますと、
指は1人当たり10本しかありません、2人で連弾しても20本です。
そもそもこの電子ピアノの鍵盤数は88鍵です。
256だの128だのは、同時に鳴らせないように見えます。
実際には、ものすごい上級者が超難曲クラシックを弾くとか、激しくグリッサンド(鍵盤を手で上下する奏法)するとか。その上ペダルを踏めば一瞬同時になる音が増えますし、
コンピュータと接続して、一度にものすごい音数を鳴らすとか、
そのような使い方をすれば、もしかしたら256と128の違いが出るかもしれません。
要するに、ピアノ初~中級者が普通の使い方をする場合には影響がありません。
アルペジエーターがない
アルペジエーターとは、自動でアルペジオ(分散和音)を鳴らしてくれる自動演奏機能です。
和音をずっと押さえていると、その和音が分散で規則的にちゃかちゃか鳴ってくれるのです。
下位モデルAlesis Recital Grandには、アルペジエーターがありません。
明らかにアルペジエーターを使う予定がある方はこのモデルを避けた方が良いですが、使わない方には必要ない機能です。
ディスプレイがない
下位モデルAlesis Recital Grandには、パネル中央のディスプレイがありません。
あるに越したことはありませんが、上位機種よりもボタンが少ないですし、なくしたことで価格を下げたのでしょう。
どうしてもディスプレイが欲しい方は、上位機種を買ってください(笑)
操作性が少々違う
下位モデルAlesis Recital Grandでは、ボタンの数を減らすためにボタン外に機能が隠れています。
隠れている機能を呼び出すためには、[KEY FUNCTION]ボタンを使います。
そのあたりが、機能の大半がパネルのボタンになっている上位モデルと異なる部分です。
上位モデルのレビューで、「勘の良い人なら取扱説明書を読まなくても大半の操作ができる」と書きましたが、下位モデルは凝った操作をする場合、取扱説明書を読む必要があるでしょう。
(でも、ピアノとして使うだけなら同様に簡単です)
しかし、「慣れれば大丈夫」レベルの操作性ですので、それほど我慢ならない点ではないでしょう。
スピーカーや外部インタフェース端子の種類は全く同じ!
上記に書いた以外は、ほぼ上位機種と同じです。
スピーカーも全く同じものが付いています。
通常、スピーカーの質や大きさを変えて値段を下げることが多いので、この点も驚きました。
また、外部機器と接続するためのインタフェース端子の種類や数も全く同じです。
重量もどちらも同じ、12.8kgです。
(小数点第2位レベルでは違うのかも?笑)
総括:不足している機能にこだわりがなければ下位機種もOK!
平たく言うと、
初心者が"ピアノ"として使うのであれば全く同じ です。
◆音数
◆同時発音数
◆アルペジエータなし
◆ディスプレイがない
◆操作性が少々違う
にこだわりがなければ、下位モデルでも上位モデルを手に入れた時と、全く同じピアノライフが送れます。
特に次のような方におすすめです。
・金額をできるだけ抑えて購入したい。
・今は買えないけれど、そのうち高級機や生ピアノを買う予定。
(子供さんが「続いたら買いますそれまでは」も含む)
あと、当教室らしい視点で書くと、
・保育士試験のために電子ピアノを用意する方
保育士試験の準備は、試験対策の学校に行ったり教材を購入したり、地味にお金がかかるんですよ。
すこしでもお値段控え目で目的を果たしたい場合にお勧めのモデルです。
最後にもう一度楽器の紹介!
\今回レポートしている下位モデルのAlesis Recital Grand/
\比較している上位モデル/
一般的なキーボードスタンドに載せることができます。
当方が書いた「理系ピアノ講師が選ぶ!大人の初心者向けおすすめ電子ピアノ」の記事をたくさんの方にお読みいただき、いつもありがとうございます。
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