横浜市戸塚区の大人のピアノ教室、講師のしばやまです。
当方が書いた「理系ピアノ講師が選ぶ!大人の初心者向けおすすめ電子ピアノ」の記事をたくさんの方にお読みいただき、いつもありがとうございます。
その中で、「6万円前後の電子ピアノ」が一番売れ筋であることを書きましたが、
この度、当教室にその価格帯の電子ピアノが入りましたのでレポートしてみます。
その電子ピアノとは、米国のinMusicという企業が作った、Alesis(アレシス)というブランドの新製品である電子ピアノです。
Alesisというブランドは、なじみがない方がいらっしゃるかもしれませんが、DTM(デスクトップミュージック)用のMIDIキーボードや、ショルダーキーボードなどではすでに有名で、コンピュータミュージックやバンド関係の人々の中では有名なブランドです。
(DTMやバンドをたしなむワタクシもすでに承知しておりました)
King GNUの井口さんも使っていますね^^(Q49というMIDI キーボードだそうです)
(再生したらすぐ出てきます)
昨年からのコロナ禍のなか、STAY HOMEをきっかけにピアノを始める方が多く、電子ピアノが不足する・売り切れていて買えないという事態が起こっています。
先の記事では、主に国産メーカの電子ピアノを紹介していたのですが、それだけでは足りないと感じ、他にも良い電子ピアノがあれば紹介したい、当教室の生徒さんにも使ってもらいたいと思うようになりました。
といっても、電子ピアノならなんでもよいわけではないので慎重でしたが、これならというものがありましたので紹介します。
目次
Alesisiの新しい電子ピアノ Alesis Prestige Artistとは
それでは、Alesis Prestige Artistの特徴と、私なりの感想を書いていきますね。
\当教室にやってきたAlesis Prestige Artist/
(スタンドは付いていません。当教室に元々あったスタンドに載せてみました)
Amazon価格で53,800円なので、正直言ってもうすこしちゃちな感じかなと思っていたのですが(失礼)、
シンプルな見た目で品があります。
黒鍵がつや消し仕様であることも、品アップに貢献しています。
単に見た目だけの問題ではなく、指がすべりにくくなりますので、
細かいことですが黒鍵がつや消し仕様であることは、非常にポイントが高いです。
そして、一番大切で一番気になる鍵盤のタッチですが、
公式ホームページでは、「グレーデッドハンマーアクション鍵盤」という鍵盤であることと、「アコースティックピアノのようなタッチと自然なレスポンスで演奏を楽しむことができる」ということが書かれています。
実際に弾いて試してみました。
当教室のアップライトピアノ(ヤマハの結構いいやつです。笑)と比べると、若干軽め。
しかし、当教室のアップライトピアノの鍵盤は重いので、ごく一般的な重さと言えるでしょう。
少し前なら40万円くらいしていた電子ピアノと(教室にあります)、ほぼ同じ感触だと感じました。これが53,800円、いい世の中です(笑)
もちろん、本物のピアノや高級機と比べると・・・というのはありますが、初心者がこの価格で楽器を用意してピアノを弾くことを始められるのは素晴らしいことです。
53,800円というと、ちょっとしたキーボード(鍵盤が軽いものが多い)くらいの値段ですが、
"ピアノ"として楽しみたいのであれば、絶対キーボードよりもこの電子ピアノを買ってください!
(お値段理由でキーボードにするという理由がもう成り立たないです)
指のクセがそのまま出る、"おべっかを使わない"鍵盤!
さて、実際に曲をいろいろ弾いてみました。
5本の指には大きな音が出やすい指・出にくい指があり、ピアノを始めたばかりの方はコントロールが効かない状態です。
練習や訓練を積むことで自分でコントロールすることができるようになり、音楽的な表現をすることができます。
それを「上達」と呼ぶわけです。
電子ピアノの中には、初心者が弾いてもアラが出ず、それなりに無難に弾けてしまうものがあります。
一見、それはよいことのように思えますが、
ピアノ教室に通っている場合、教室のピアノで弾いたときに家で弾いたときほど上手に弾けないという事態が発生します。
このAlesis Prestige Artistは、
通常のピアノと同じように、自分の習熟度をそのまま再現してくれると感じました。
"おべっかを使わない"鍵盤ですね(笑)
(※初期設定の場合)
この鍵盤で、凸凹なく自分が思った通りの表現ができた状態でピアノ教室に行けば、
家で練習したことはまあまあ再現できるのでは・・・と感じました。
ピアノの上達面からみて、とても良い鍵盤です。
あと、今どきの電子ピアノはどれもそれなりに美しい音はするのですが、
この、Alesis Prestige Artistは、特に高音と低音がリアルで美しいと感じました。
その部分がダメな楽器も多いので、このことは強調しておきます。
付属品のペダルが本格的
同梱されている、ダンパーペダルです。
通常、数万円の電子ピアノやキーボードの場合、10cm四方くらいの簡易的なペダルがオマケ程度に付いていることが多いのですが、Alesis Prestige Artistには、このような重さがあるしっかりしたペダルが標準で付いています。
オマケ程度のペダルの場合、結局早いうちに新しいペダルを買うことが多いですが、Alesisの場合最初から良いものが付いています。
その点、お得感があります。
あと参考までに、いろいろなメーカーの電子ピアノやキーボードを持っている方向けの情報ですが、
ペダルには「極性」というものがあります。
細かい説明はここでは省きますが、ある特定のメーカーや機種でしか使用できないペダルが多いのです。
ところが、Alesisに同梱されているこのペダルの場合、スイッチを「1」または「2」のどちらかにすることで、大抵のキーボードや電子ピアノで使うことができます。
(すべてとは言いませんが、かなり対応するはずです)
ちなみに、Alesis Prestige Artistの場合は、スイッチを「1」にして使用します。
(なお、別売りの3本ペダルユニットを接続することもできます)
その他の特徴
その他いろいろ工夫しているなと思うところがありましたので、それらの特徴についても載せておきます。
地味にありがたい!本体前面に2種類のヘッドホン端子が
電子ピアノを選ぶ理由の1つに、「大きな音を出すことができない」「夜間練習したい」があります。
結果としてヘッドホンを使うことが多くなりますが、ヘッドホン端子が背面にあるとヘッドホンのケーブルを前から這わせることになるので、演奏の邪魔になることがあります。
ところが、Alesis Prestige Artistの場合は、ヘッドホンジャックは前面左にあります。
ちょっとしたことなのですが、使いやすいです。
そして!写真を見て気が付いたかもしれませんが、
なんと、6.35mmフォーンジャックと3.5mmミニジャックの両方の端子が用意されている!
私、両方の端子が用意されている機器を初めてみました!
いちいち変換プラグを用意する必要がありません。
日本語の取扱説明書が付いています。が、あまり読まなくても操作できる
米国発の電子ピアノということで、気になるのが日本語の取扱説明書が付いているかどうかです。
ちゃんと日本語の取扱説明書が付いています。直訳したような怪しい日本語ではなく、きちんとした文章で書かれていました。
16ページの簡単なものですが、そもそもあまり取説を読まなくてもある程度操作できます。
ピアノの音さえ出ればよい方であれば、スイッチを入れればすぐピアノの音が出ますし、パネルがシンプルで分かりやすいので、例えばメトロノーム機能などはすぐに使うことができます。勘が良い方であれば、取説がなくてもほとんどの操作ができるでしょう。
それくらい簡単です。
スマホ/タブレットを接続して活用できる
1つだけ惜しいと思ったのが、スマホ/タブレットとの接続がBluetoothでないこと。
しかし、AUX入力端子が付いているので、スマホやタブレットの音をAlesis Prestige Artistのスピーカーから鳴らすことができます。
(有線なので、かえって安定するという考え方もあり)
耳コピや、音源と一緒に演奏するなど、演奏や音楽をさらに楽しむことができます。
譜面台が大きい!・取り外し可能
写真で見たイメージよりも、大きいと感じました。
譜面台の一部がワイヤーでつながっている電子ピアノもありますが、Alesisの電子ピアノの譜面台は全面しっかりしたプラスチック。
※Alesisの旧機種に比べても、今回譜面台がしっかりしたものになりました。
マチ(って言うんですかね?笑)が3cmありますので、安心して楽譜を置くことができました。
タブレットのような重みがあるものでも安心です。
細かい溝は滑り止めですね。これは使ってみないと分からない細かい気遣いです^^
譜面台の横幅が、一番長いところで約61cm(測りました)
ページ数が多い楽譜の場合、コピーをして横に並べることがありますが、そんな時に譜面台に横幅があると地味にありがたいです。
※コピーのみはダメです。楽譜を買い、それをコピーしてくださいね。
また、取り外し可能なので、不要な時に邪魔になることがありません。
※この溝何かに使えそうなのですが、面白い使い方を発見したら後報します。
総括:53,800円でこれはありがたい!60,000円台の電子ピアノと比較してお得感あり
タイトル通りの感想です。
60,000円台のヤマハ・カワイ・カシオ・ローランド・コルグと勝負できます。
上記で書いたような、細かい気遣いを感じる仕様でありながら、少しお値段控え目な53,800円。
一番売れ筋の60,000円台の電子ピアノを考えていた方には、Alesisの電子ピアノも候補に入れて良いと感じました。
電子ピアノ不足のこのご時世に、「買っても良い電子ピアノ」の選択肢が増えたことは喜ばしいことです。
\今回当教室にやってきたのはこの機種/
\同じグレーデッドハンマーアクション鍵盤で、お値段控え目の場合はこの機種/
この価格でこの鍵盤はなかなかない!
一般的なキーボードスタンドに載せることができます。
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